2022年02月17日
5分で解説 今すぐ使える5つのタイトル術【前編】
ん〜〜〜。こんな感じかなぁ……。
頭を悩ませ、考えぬいた社内報やDM、広告バナー、PR文章。
ようやく発信したものの、こんなことで悩んだことはないでしょうか?
「時間をかけて作ったわりに、思ったより開封率が悪い……」
「新しい商品の情報を載せたのに、いつもと変わらない反応……」
「情報発信の頻度をあげたのに、SNSの登録者数がぜんぜん増えないのは、なぜ?」
以前は私自身も、その原因がわからず、同じように苦しい日々を送っていました。
ただ……!
そんな私だからこそ、この記事を読んでいるみなさんに共有したいことがあります!
それはずばり、
ということです。
たとえば、本屋さんで、なんとなく手に取った本を衝動買いすることってありますよね。
その際、みなさんはどんな基準で本を選びますか?
おそらく最初は、本の細かい情報よりも、タイトルや帯、あるいは目次などで、本の雰囲気をつかもうとするのではないでしょうか。
本を選ぶときの最初の行動。
これを、情報発信の作業におきかえて考えてみてください。
みなさんが作成した、社内報やPR文章、Webコンテンツ、社内メール。
その情報とお客さまが最初にふれあうのは、そう、タイトルです。
内容がどれだけ魅力的でも、それを相手に届かせるためには、仕掛けが必要なのです。
じっさい、タイトルひとつで、メールの開封率やファン層の数は、劇的に変わります!
大切なのは、読みたくなるタイトルを作ることなんです。
今回は、私が「これは効果があった!」と感じた、今すぐに使える【読みたくなる5つのタイトル術】をご紹介していきます。
② 単語を合体させる
③ ニュース風にする
④ 読者に呼びかける
⑤ 限定感を出す
本編では、上記のうち、前振りで期待させる(1)と単語を合体させる(2)のふたつをご紹介。
後編で、3〜5の方法論をご紹介させていただきます。
一緒にタイトル作りをマスターして、これから作成するコンテンツを、より多くの人に届けていきましょう!
タイトルづくりに大切な共通ルール
PR文章などのタイトルづくりをはじめる前に、大切な共通ルールについてお話しいたします。
タイトルの文字数は、20〜30字をめざしましょう。
「Yahoo!ニュース」では、見出しの文字数を14文字(半角含めて14.5文字)というルールで運用しています。
見出しの文字数は、短いほど情報が頭に入りやすく効果的と言われています。
ですが、この14文字というルールはかなり難易度が高いです。
(※Yahooニュースは2021年に見出しの文字数を最大13.5文字から14.5文字に変更しました)
ですので、まずは20〜30字をめざしましょう。
慣れてきた際には、より短い文字数のタイトルに挑戦していきましょう。
また、タイトルづくりにおいてもう一つ重要なことがあります。
それは、タイトルは最初と最後の2回考える!ということです。
文章の書きはじめは、コンテンツづくりに迷いがないように
仮のタイトルをつけることをオススメします。
ただし、文章を作成したあと、最後に仮でつけたタイトルをもう一度見直しましょう。
文章を書きすすめていく中で、「一番注目してほしい場所」というものが見えてくるはずです。
その上でタイトルを再考すると、より効果的なコトバが見えてきます。
以上が、タイトル作りにおいて重要な共通ルールです。
では、ここから先は、例題を通して一緒にタイトル作りに挑戦していただきます。
今回は、「ダイエット」をテーマにした題材で考えていきましょう。
その続きが気になる!前振りで期待感を演出する
たとえば、下記のようなテーマで情報発信しようと考えたとします。
太りにくい食べ方の代表例として、近年では「食事はまず野菜から!ごはんは最後に!」という“ベジファースト”の食事法が浸透している。しかし、この食べ方はあくまで糖尿病の方向けの食べ方であり、逆に健康でしっかり筋肉のある人には、糖質から先に食べ、血糖値をあげて満腹中枢を刺激することで、食べすぎを防ぐ食事法が注目されている。
このような内容を紹介したい場合、あなたならどんなタイトルを考えますか?
どんな風にすれば、より注目を集めるタイトルをつくれるか、すこし悩んでしまいますね。
そこで、まずはじめに紹介したいのが、前振りです。
これは、たとえば
「食べすぎを防ぐ、意外な食べ方とは?」
のように、続きが気になる工夫をいれたタイトル法です。
TV番組などでもよく使われています。「続きは、30秒後!」のように、
余韻を残して、結果や答えが知りたくなる仕掛けをつくっていきます。
さて、今回のお題を振り返ると、最も主張したいのはここ。
食べすぎを防ぐために、糖質から先に食べて満腹中枢を刺激するという食べ方が注目されている。
続きが気になる終わり方にするには、主張ポイントが答えになるような【問いかけ】を作ることを意識しましょう。
これからOK回答例が出てくるので、それを読む前に、みなさんもお手元で一度タイトルを作ってみましょう!
では、OK回答例を見ていきます。
野菜が先じゃない?太りにくい食べ方って実際なに?(25文字)
なぜあの人は、ごはんから食べるのに太らないのか。(25文字)
この食べ方なら少量でもお腹いっぱいに!続きはこちら(26文字)
30文字以内のルールにそって作れましたか?
回答例のように疑問形にするやり方や、「続きはこちら」と伝えるやり方もできますね。
この前振りをつかう方法は比較的カンタンなので、5つあるタイトル法のうち、まずはじめに試してみていただきたい方法です。
いろんな視点から、主張ポイントが気になる仕掛けを見つけていってください!
あなたならではの視点をプラス!単語を合体させる方法
さて、次のタイトル法をご紹介します。
その前に、まずは例題を見ていきましょう。
あなたはこれから、効率的な運動について紹介する記事を書くと想像してみてください。
日常生活の中で手軽に取り入れやすい運動の一つ、「ウォーキング」。
しかし残念なことに、1時間、普通にウォーキングをするだけでは、ほとんどカロリーが消費できない。健康になる近道は、短時間でも良いので、その中でもメリハリをつけて身体を動かすこと!そこで今回は、日常生活で簡単にできる筋トレ&ウォーキングをご紹介。
さて、みなさんならこのコンテンツに、どんなタイトルをつけるでしょう。
いきなりですが、ここでNGの回答例を見ていきます。
・どうせウォーキングするなら、楽しく、ラクに、効率よく!
・普通のウォーキングではダメ!今すぐできる、簡単筋トレ!
・おうちで簡単にできる!オススメ筋トレ&ウォーキング!
どこがダメなのか。
みなさんならきっと、わかりますよね。
【楽しく】【ラク】【効率よく】【簡単】【オススメ】など。
紹介したいモノに対して、上記のようなありふれた言葉のみで表現してしまうと、その情報は読まれることなく、埋もれてしまいます。
ここだけでしか紹介できない情報を伝えたい!
そんな時に役立つのが、別々の単語を合体させる方法です。
この方法は、『伝え方が9割』(佐々木圭一著、ダイヤモンド社)で「合体法」として紹介されている方法です。
いつもの見慣れたコトバに【新しいコトバ】を加えることで、その情報に鮮度を持たせることが狙いです。
ではその【新しいコトバ】は、どのようにしてつくりだすのか。
先ほどのコンテンツで、軸となるコトバにいくつか下線を引いてみます。
日常生活の中でも手軽に取り入れやすい運動が「ウォーキング」。しかし残念なことに、
1時間普通にウォーキングをするだけでは、ほとんどカロリー消費ができない。
健康になる近道は、短時間でも良いので、その中でもメリハリをつけて身体を動かすこと!
そこで今回は、日常生活で簡単にできる筋トレ&ウォーキングをご紹介。
この下線で引いた「軸コトバ」に対し、数珠つなぎ方式でいろんな類語(別軸コトバ)を出していきます。
普通にウォーキング:お散歩、ゆるゆる、ダラダラ、ゾンビ歩き、のっそり、亀さん歩き
メリハリをつけて :テキパキ、カロリー燃焼、燃焼系、脂肪燃焼
短時間でも良い :短時間、ちょこっと、ちょこちょこ、サクッと、数分、5分、時短
日常生活で :スキマ時間、日常を運動に、家事の合間、好きな時だけ、気ままに
簡単にできる :ラクラク、ソフト、無理せず、がんばらない、ノンストレス、
いろんなコトバを出すとき、はじめはNGで紹介したような、よく使いがちなコトバをどんどん出してみてください。
そこからコトバを広げていくと、予想外のコトバたちと出会います。
時間はかかりますが、ここは根気よく、いろんなコトバを出していくことが大切です!
ここで出てきた別軸コトバと、今回使う本命の軸コトバを組みあわせてみます。
見慣れたコトバが、なんだか新しい情報に生まれ変わったように見えてきませんか?
時間はかかりましたが、ここまでくれば、いろんなタイトルが生みだせます。
・1時間歩いても、“ダラダラ歩き”では痩せられない?(26文字)
・【メリハリウォーキング】で、脂肪燃焼がグングン変わる!(28文字)
・5分でできる「ちょこちょこ筋トレ」で、美ボディを目指せ!(29文字)
・「ゾンビ歩き」では痩せない?意外と深いウォーキングの世界(29文字)
先ほどご紹介した前振りをつかう方法も応用しながら、OK回答例を作成しました。
合体法は一見、遠回りのようですが、コトバの数が多いほど、いつか世の中を変える「ビッグワード」を生みだせる可能性があります!
余談ですが、私がこの方法を使う際は、大きな紙とペンを用意します。
書きはじめるキャンバスが広いと、発想が窮屈にならず、いろんなコトバに出会える気がするからです。
みなさんもぜひ、試してみてください。
前編のタイトル術は、ここまでとなります。後編では3つのタイトル術をご紹介します。
みなさんが発信する情報が、明日からもっと多くの方に届きますように・・・
また後編で、お会いしましょう!
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「伝え方研究所」研究員/コピーライター
Kei Hosokawa明治大学文学部卒業。事業会社の宣伝広報やプロダクションを経て、現在はコピーライター・ライターとして活動中。Metro Ad Creative Award 2018 協賛スポンサー賞を受賞。伝え方ってほんとうに難しい。でも、「伝え方で運命や人生は本気で変わる!」と、胸を張って言えるように、日々コトバと向き合っています。
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