【商品ネーミング】KFC40年続く名称を変更「サンド」→「バーガー」に

【商品ネーミング】KFC40年続く名称を変更「サンド」→「バーガー」に

スパイスが食欲をそそる、

ケンタッキーのチキン。

 

そのチキンをはさんだ「サンド」たちが、

「バーガー」に名前を変えることになりました。

 

これまでの「チキンフィレサンド」は

今度から「チキンフィレバーガー」に。

 

「和風チキンカツサンド」は

「和風チキンカツバーガー」として販売されます。

「サンド」が誕生したのは、

いまから約40年前の1983年。

 

今回の変更の裏には、

商品の知名度をアップさせる狙いがあるようです。

 

さて、この目論見は

はたして当たるのか、どうか?

 

皆さんは、どう思いますか?

 

企業の「覚悟」がにじむ変更

 

40年も守りつづけた名前を変える。

そのこと自体に、実はものすごく話題性があるように感じます。

 

さらに、「新しい方向に舵を切るんだ」という

企業としての覚悟がにじみます。

 

今回のニュースに触れて

「ひさしぶりに食べてみようかな」

と思った人も少なからずいるでしょう。

 

 

おなじ中身なのに、商品のネーミングを変える。

そういう事例は、ほかにもたくさんあります。

 

たとえば、

ただの「缶入り煎茶」を名称変更して

大ヒットした商品があります。

 

「お〜いお茶」です。

生活になじむ雰囲気や、

呼びやすさが奏功して、

記憶に残りやすく、一層、親しまれる商品になりました。

 

ほかにも、

「モイスチャーティッシュ」を

「鼻セレブ」に変えて、

ものすごく売れたという事例もあります。

 

 

ネーミング成功のポイントは2つ

 

商品ネーミングには、

かならず意識したポイントが2つあります。

 

1)商品そのものを表現できているか
2)インパクトがあるか

――の2つです。

 

たとえば、

マクドナルドの「月見バーガー」

毎年、秋になると

「この時期が今年も来たなあ」と思います。

まるで風物詩のように定着した商品ですが、

商品そのものをストレートに表現すると

「エッグバーガー」ですよね。

ただ、それだとインパクトが足りません。

 

そうではなく

「月見バーガー」と呼ぶことで

商品を表現しつつも、インパクトのある伝え方が

実現しているわけです。

 

ほかにも、事例があります。

 

たとえば、ユニクロの「ヒートテック」。

 

もちろん商品を表現するという要件を満たしつつも、

衣類なのに、最先端のテクノロジーが搭載されている

ガジェットのようなインパクトがありますよね。

 

 

ポイントに当てはめてみる

 

さて、お話を戻しましょう。

 

今回、ケンタッキーが「サンド」を「バーガー」に変更したことを

上の2つのポイントに当てはめて評価してみます。

 

まずは、

 

1)商品そのものを表現できているか

 

についてですが、

 

こちらは「チキンフィレサンド」よりも

「チキンフィレバーガー」に変えた方が、

より分かりやすくなったと言えるでしょう。

 

「サンド」というコトバから連想するのは

「サンドイッチ」ですよね。

食材を横向きに挟んだ、食事っぽい印象があります。

 

一方、「バーガー」は、まさしく「ハンバーガー」を連想し、

実態に近い印象があります。

さらに、親しみやすさや楽しい印象も感じられるように思います。

 

まったくおなじ中身でも、

「サンド」よりは「バーガー」のほうが、

「食べてみようかな」と思う人は多いのではないかと分析します。

 

問題はインパクト

一方、2番目のポイントである、

「インパクト」の観点では、どうでしょうか?

 

「サンド」が「バーガー」に変わっただけでは

そこまで劇的なインパクトは感じられません。

 

すでに「バーガー」を名前に入れている

ハンバーガーチェーンは数多くありますし、

むしろ一般的な印象さえあります。

 

では、「ケンタッキーフライドチキンならでは」の

強みを生かした伝え方は、

たとえばどんなものが考えられるでしょうか?

 

ケンタッキーの強みは、

間違いなく「他では食べられない味」にありますよね。

 

その味わいを思い出すようなネーミングとして、

ズバリ「ケンタッキーバーガー」としたほうが

強く記憶に残る、売れる商品名になりそうです。

 

 

まとめ

さて、皆さんはどう感じましたか?

 

中身はまったく変わっていないのに

商品名ひとつで、売上が大幅に変わるなんて、

とても面白いですよね。

 

40年間守りつづけた名前を変更したケンタッキー。

 

結果がどう出るか、

引きつづき注目してみたいと思います。

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