寝る直前、あなたは何をして過ごしていますか?
実はこのタイミング、幸せな毎日を送るチャンスを秘めたゴールデンタイムなんです。
最新の研究で、寝る前5分にコトバをつかったある“ルーティン”をくり返すと、幸福度がハッキリとあがることがわかってきました。
今回は、その実践方法をご紹介します。
たった1週間で、6ヶ月も効果が持続!
「人はどうしたらもっと幸せになれるか」を研究しているアメリカの心理学者・セリグマン教授。
彼が提唱したのが、1日の終わりに「3つの良いこと」を記すという“寝る前ルーティン”です。
研究では、たった1週間、その日あったポジティブなできごとをコトバにして記すだけで、幸福度がアップし、うつや不眠が改善。
しかも、効果はなんと6ヶ月後まで持続するというオドロキの結果でした。
このルーティンで期待できる効果です。
・いままで見過ごしていたポジティブなできごとに気づく力がアップする
・寝つきや目覚めが良くなる
・心配やイライラが減り、感情をコントロールできるようになる
・幸福度が自然と高まる
「3つの良いこと」を書いてみる
「3つの良いこと」は、その日あったできごとから選びます。
気持ちがポジティブになる内容であれば、何でもOKです。
ただ、今回は「何から書き始めたらよいか迷ってしまう」という人のために、千葉大学の清水栄司教授によるアレンジ版をご紹介します。(出典:NHK健康チャンネル)
アレンジ版では、その日あったポジティブなことを、
②楽しかったこと
③感謝すること
――の3つに分けて書き出します。
さらに、それぞれのできごとに対して感想も記しておきましょう。
実際にやってみます。
・紙
・ペン
①できたこと:早起きできた。外の冷たい空気が思ったより心地よかった
②楽しかったこと:友だちとお茶をして楽しかった。30分以上並ばないと手に入らないおはぎをもらった。おいしかった
③感謝すること:フードデリバリーが10分も早く届いた。ありがたい!
私の場合は2〜3分でコトバを書きだすことができました。とっても、カンタン!
これなら、毎日続けられそうです。
まずは7日間、続けることからはじめましょう。
寝る直前が、もっとも記憶に定着しやすいので、おすすめです。
問題は、何に目を向けるか
この実践の本質的なねらいは、「ポジティブセンサー」を磨くことにあります。
ひとは、気持ちがふさいでいると、「今日は何も良いことがなかった」「ムダな1日を過ごしてしまった」と思い込みやすいものです。
しかし、実際には「良いこと」がひとつもない日は、ほとんどありません。
たいていの場合、「良いこと」に気づいていないだけなのです。
どういうことでしょうか?
たとえば、1日に100個のできごとがあったとします。
このうち、つらいことが80個。たのしいことが20個でした。
ここで、1日をふりかえるできごとを3個選び、コトバにします。
あなたは、つらい80個のうち3個をえらぶこともできるし、たのしい20個から3個えらぶこともできます。
前者の場合は「つらかった日」となりますが、後者なら「たのしいできごとがあった日」という印象が残ります。
ここで、もういちど両者を比べてみます。経験したことは同じ1日です。
ですが、どこを見つめるか?によって、印象は真逆になります。
そして、「良いこと」に目を向けてコトバにする習慣を身につけることで、
そのセンサーは磨くことができるのです。
なぜ、あえてコトバにして書くのが良いのか?
コトバにするときは、実際に紙に書きだすことをおすすめします。
なぜなら、書くことで脳のなかの神経ネットワークが刺激され、
記憶力や集中力が高まるからです。
この神経ネットワークが刺激されると、「細かいところまで見逃さないように!」という信号が脳内に発せられ、しぜんと積極的に情報を集めるようになると言われています。
ちなみに、ノートパソコンを使わずに実際に手で書くほうが、新しいアイデアをおもいつきやすいので、やはりここは紙とペンを用意しましょう。
さらに、あることをすれば効果は2〜3倍に
さて、ポジティブなコトバを紙に書き出したら、もうひとつ試してみてほしいことがあります。
そのコトバを題材に、他人とコミュニケーションをとることです。
自分だけで完結させるのではなく、他人に話すことで、ポジティブなできごとをくり返し経験したような感覚になるのかもしません。
ちなみに、研究論文の著者によると、ポジティブコトバは週にすくなくとも2回はシェアすると効果が出やすいそうです。(出典:米国版『Prevention』)
1日5分のポジティブ・コトバ習慣を、今日から。
気持ちがあかるくなるできごとを、コトバにする。
特に、まじめで勤勉な日本人にこそ、おすすめしたい理由があります。
日本はGDP(国民総生産)世界3位の経済大国です。
このすばらしい座に位置している大きな要因は、国民が、日々がんばって働いているからです。
ただ一方で、国民の幸福度はというと、世界で59位と、先進国ではもっとも低い水準なのも事実なのです。(出典:国連2021年調査)
仕事を一生懸命がんばりすぎて、メンタルを患う人がとても多いいまこそ、ぜひ、「コトバの力」を試してみてほしいのです。
1日5分。ポジティブなコトバさがし、いっしょに始めてみましょう。
ひとりでも多くの人が、明るい毎日を送れますように。
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「伝え方研究所」編集部
すぎなおき新聞社で首相の番記者などを経験したのち、伝え方研究所の立ち上げにジョイン。研究所がめざすコミュニケーション力のベースアップを支援している。趣味は、スナップ旅。
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