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2022年04月07日
あの有名企業の社長はなにを語った?入社式のあいさつ
春は、はじまりの季節。4月1日、多くの会社で入社式が開かれました。
企業のトップたちは、何を語ったのでしょうか。
そこには、新入社員だけでなく、すべての大人に染みいる「人生訓」が詰まっていました。
「人は、嬉々としてやっている人のところに集まる」
まずはトヨタ自動車から。
トヨタでは、3年ぶりに本社の愛知県豊田市で、リアルに集まる形式が採用され、1000人を超える新入社員が顔をあわせました。
そこで豊田章男社長が語ったのは、「集まる」ことについてでした。
社長がまず紹介したのは、以前に出会ったという「人が集まる9か条」です。
・人は、人が集まるところへ集まる。
・人は、快適なところへ集まる。
・人は、噂になっているところに集まる。
・人は、夢の見られるところに集まる。
・人は、良いモノがあるところに集まる。
・人は、満足が得られるところに集まる。
・人は、自分の為になるところに集まる。
・人は、感動を求めて集まる。
・人は、心を求めて集まる。
コロナ禍で、人が集まることが「悪いこと」のように扱われることがあります。
一方で、リモート会議やオンライン結婚式など、デジタル技術をつかって集まる工夫が加速しています。
ですが、集まる形がどう変わろうと、この9か条は「まったく変わらない」と社長は言います。
社長は、トヨタの挑戦の歩みを振り返り、こう続けました。
そうして始まった挑戦の場は、少しずつ『人が集まる場所』になっていきました。
始めたときには、想像もできなかったことです。
なぜ、一緒にやろうと言ってくださる仲間が増えたのか。
何よりも、私たちが、深刻なテーマを真剣に楽しんでやっていたからだと思っています。
『人が集まる9か条』に、もう一つ追加するならば、『人は、嬉々としてやっている人のところに集まる』。
これだと思います」
楽しんでやる。
当たり前に聞こえるかもしれませんが、働くうえで、きっと、このうえなく大切な言葉でしょう。
「皆さんは楽しくする達人です」
「仕事を楽しむ」ことは、ローソンの社長も強調しました。
ローソンの竹増貞信社長が、学生時代をコロナ禍で過ごした新入社員に期待を寄せたのが、この“楽しむ力”でした。
この2年間、しっかりと環境の変化を楽しく変えてきたと思います。
自信を持って大いに立ち向かって、楽しく仕事をしていただきたいと思います」
仕事には、困難や失敗がつきもの。
どんな状況でも「楽しく仕事をしよう」という気持ちをもって臨むことは、新人だけでなく中堅やシニア層にとっても大切な人生訓といえそうです。
「今日のこの日が、将来、綺麗な星座に」
最後は、明治安田生命の入社式の言葉です。
永島英器社長が語ったのは、ひとつひとつの出会いを大切に、仲間たちと力をあわせることの大切さでした。
社長が、スティーブ・ジョブズ氏の有名なスピーチを引用して語った言葉です。
若いときに経験する様々な出来事、様々な出会い。
こうした点・ドットが、将来どんな点と結びつくのか、そのときにはわからないけれども、将来必ず点はつながる。
だから、運命やご縁を信じて、好きな仕事をやりなさい、ということを語っている」
さらに、ジョブズの言葉を意識したと思われる、芥川賞作家の川上未映子さんの次の言葉も紹介しています。
あの日あのときあのひとが、あんなことを言ってくれた。
こうした点をつないでできる星座のようなものが幸せというものではないだろうか」
そして、式典のあいさつの最後を、社長はこう締めくくりました。
たくさんの仲間と力をあわせ、ともに新しい時代を創っていこう」
仕事も、人生も、「一期一会」の連続です。
その一つ一つのチャンスをきら星のように輝かせていくと、あとから俯瞰したとき、美しい星座がひろがっている。
先行きが見えづらく、近視眼的になりがちなこの時代に、目線がひろがる金言です。
人生の大先輩たちのメッセージには、将来への希望がこめられていました。
なにげない日々をちょっとでも前向きに過ごせたら、きっとこの1年は、前よりもっと良くなるはず。
春のような初心を思い出させる、今年の入社式の言葉でした。
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「伝え方研究所」編集部
すぎなおき新聞社で首相の番記者などを経験したのち、伝え方研究所の立ち上げにジョイン。研究所がめざすコミュニケーション力のベースアップを支援している。趣味は、スナップ旅。
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