2022年04月07日
【名言集】3月の伝え方ベスト3
ロシアによる侵攻がつづいた3月。
こんなにも、目を、耳を
覆いたくなるような報道に
がくぜんとする日がくるなんて、
想像もしませんでした。
これ以上、
犠牲が広がりませんように。
そして、
おだやかな気持ちで過ごせる日々が
一刻もはやく、訪れますように。
さて、今月も、
気持ちがほんのすこし
明るくなるような
素敵なコトバが集まりました。
佐々木圭一が特にすばらしいと感じた
伝え方ベスト3をご紹介します!
第3位
フランスで開かれた
フィギュアスケートの世界選手権、
ショートプログラム。
坂本花織選手が、
はじめて80点の大台をこえる
自己ベストをマークしました。
試合前は、
「フリップと、ちょっと仲が悪い感じです」
と不安も口にしていましたが、
おわってみれば
すべてのジャンプできれいに着氷。
おもいもしなかった高得点をみて、
飛びだしたのがこのコトバでした。
なんか未知の世界です」
目を大きくみひらいて
よろこんだ坂本選手。
でも、その表情を見なくても、
このコトバだけで、
高揚感がつたわってきます。
ちなみに、このコトバには、
伝え方の技術のひとつ、
リピート法が隠れています。
たとえば
「さいた さいた チューリップの花が」
のように、
おなじ言葉をくり返すと、
印象にのこる強いコトバになるのです。
出典:NumberWEB
第2位
TOKIOの国分太一さん。
3月11日にツイッターを更新し、
こんなメッセージを発信しました。
誰にとっても人ごとではないから」
東日本大震災がおきたのは、11年前。
「ザ!鉄腕!DASH!!」(日本テレビ系)
の舞台となったDASH村がある
福島県浪江町も、
大きな被害をうけました。
浪江町などからの
避難生活をつづける人は、
いまも全国に約3万8000人いるといわれます(2月末時点)。
日本は地震大国で、
いつ、どこで被災するかは
だれにもわかりません。
私自身、地震発生時に、図書館にいて、
全ての本が、本棚からなだれ落ちるのを経験しました。
東京にいた私でも
ごくごく、身近に起こったことと感じています。
被災地の近くにいた人も、
離れたところにいた人も、
みなが何らかの影響をうけたはずです。
国分さんの
「あれは、自分の事なんだ」
というコトバ。
あらためて、
この震災で感じた気持ちを
いつまでも、けっして忘れない。
そんな実感のある、重みのあるコトバです。
出典:スポニチアネックス
第1位
市民の被害がひろがるウクライナ。
ロシアによる侵攻をとめるため、
ゼレンスキー大統領は、世界各国の議会で
ビデオ演説をかさねました。
ここでは、日本、アメリカ、ドイツで語った
演説のコトバを紹介します。
まずは、日本の国会で語ったコトバです。
侵略の津波を止めるため、
ロシアとの貿易禁止を導入し、
各企業が撤退しなければなりません」
あえて「津波」というコトバを入れることで、
日本人の心をゆさぶる表現になっています。
ほかにも、
ロシア軍が原子力発電所を攻撃したこと。
「サリン」などの化学兵器をつかう可能性。
そんな、日本で過去におきた事故や事件を連想させる
伝え方を、随所にちりばめていました。
その国の歴史や文化にあわせたコトバ選びは、
アメリカでも。
人種差別の撤廃をうったえたキング牧師のコトバ
を引用したうえで、
あなた方はみな、知っています。
きょう私が言えるのは次のことです。
『I have a need』
(私には必要なものがある)」
と語りました。
そして、
「必要なものは、わたしたちの空を守ってくれること。
あなた方の決意、あなた方の支援です」
と続けています。
アメリカのバイデン大統領は、
演説を受けて、追加の援助を発表しました。
さいごに、ドイツです。
ドイツが指導役となれば、
後の世代も誇りに思うはず」
いうまでもなく
「ベルリンの壁」を連想させる伝え方です。
演説が終わると、
議員たちは総立ちになって拍手しました。
さて、演説から見えてきたのは、
聴く人の心をゆさぶる
ゼレンスキー大統領の「コトバの力」でした。
「私には夢がある」
「壁を倒してほしい」
それは、たとえウクライナが遠い国であったとしても
聞いた国の人が自分ごと化するコトバを、
ていねいに考えられてつくられていました。
大統領は、
軍事力で格上の国を相手にしながら、
核弾頭でも侵攻でもなく、
この「コトバの力」でたたかおうとしています。
たいへんな事態がつづいています。
尊い命が、もうこれ以上、犠牲にならないことを
心から祈っています。
出典:NHKニュースWEB
以上、佐々木圭一が
独断と偏見で選んだ
ベスト3の伝え方でした!
今月はどんな素敵なコトバに出会えるでしょうか。
みなさんも体調に気をつけつつ、注目してみてください。
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「伝え方研究所」所長/「伝え方が9割」著者
佐々木圭一上智大学大学院を卒業後、株式会社博報堂入社。 のちに書籍「スティーブ・ジョブス」に登場する伝説のクリエーター、 リー・クロウのもと米国で2年間インターナショナルな仕事に従事。 日本人初、米国の広告賞「One Show Design」でゴールドを獲得(Mr.Children)。カンヌ国際クリエイティブアワードにて、金賞を含む計6つのライオンを 獲得するなど、合計55のアワードを入賞受賞。 郷ひろみ・Chemistryの作詞家として、アルバムオリコン1位を2度獲得。 2014年、クリエイティブ ブティック「ウゴカス」を設立。 日本のコミュニケーション能力をベースアップさせることを、 ライフワークとしている。
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